大学受験は2021年度入試より、再び大きく変わりました。「大学入試センター試験」は「大学入学共通テスト」へと移行し、自己推薦タイプのAO入試は「総合型選抜」に、指定校推薦も含め学校長の推薦が必要な推薦入試は「学校推薦型選抜」に変わりました。

特に総合型選抜は、学力という単純なモノサシで合否を決めるのではなく、目的観や思考力、生徒の努力や経験値を重視し、さらに人間性や可能性を総合的に見てをする入学試験です。

知識だけではなく「思考力・判断力・表現力」に対する評価、同時に「主体性」をもち「協働して学ぶ」姿勢を重視し、人物評価にもじっくりと時間がかけられています。

小論文対策が必要となる総合型選抜や学校推薦による合格者は、今や全体の半数以上を占めています。

大学入試 高校生対象

総合型選抜

総合型選抜(旧AO入試)は、学力試験では見えない受験生の特性や個性や活動を積極的に評価する入試です。一般選抜とは別枠で実施され、将来の目的や学修への意欲に焦点が当てられます。

選抜の基準は、

  1. 大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に沿って評価が行われます。
  2. 「志望理由書」や学校の調査書等の書類のほか、面接やグループディスカッション、小論文試験等を組み合わせ人物や適性の総合評価が行われます。
  3. 学校長からの推薦は不要です。
  4. 選考期間が長く、実施時期は大学によって異なり9月~2月頃まで続きます。

総合型選抜のメリットは、早い時期に合否が決定するため、万一のときにも受験のチャンスが増えます。また志望理由を明確にするため、将来の目的がはっきりと定まってきます。必然的に文章力や論理力も向上します。

しかし、良いことばかりではありません。近年は活動や人物評価に重点を置いた選抜方法が、結果として進学時の学力の低下に繋がり大きな問題となっています。そのため評定条件や英語力で受験資格を定める傾向が強まりました。

今日では高校での日常的な勉学が重視される受験といえます。

<対 策>

曖昧あいまいな志では通用しないと思ってください。しっかりと意志を持ち、目的のために何を学ぶのか、それを将来どのように活かしていくのか。──といった考え方や方向性を、大学側に見せる必要があります。

そのため、自分自身の内面的な掘り下げや、将来目指す仕事、あるいは職種についての情報は不可欠です。このリサーチが甘いと、目的観も甘くならざるを得ません。

志望校については、オープンキャンパスへの参加や大学案内の取り寄せはもちろんですが、Web上の情報が大いに役立ちます。教授やゼミ、さらにシラバス等を検索することで入学後の学修目標(計画)を具体的にすることです。

また「志望理由書」の執筆において、多くの受験生は最初から指定字数内で書き上げようとします。本来、合格レベルの志望理由書は完成までに何度も再執筆を重ねます。

当塾では初回の授業で力量を判断するために字数内で書いてもらいますが、そこから「将来の目的」「きっかけ」「大学での学び」「卒業後の方向性」等を分けて考え、それぞれに考察を深め、調べ、加筆修正をしていきます。

ゆえに下書き段階では、指定字数の3倍にも4倍にも膨れ上がります。

夢や憧れから始まった将来の目的もリサーチを深めることで、より具体的な未来の姿が見えてきます。手応えを感じるのは、ここからです。不要箇所を削り表現を工夫することで、内容の濃い説得力のある「志望理由書」が仕上がります。

努力の足跡は必ず文章に表れます。安易な取り組みは通用しません。

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AOの先駆けは慶應大学

1990年、慶応義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)が他大学に先駆けにて導入したのがAO入試です。

AO入試とは、文部科学省の定義を引用すると「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目意識等を総合的に評価・判定する入試方法」です。

さらに留意点として、高校時代の「知識・技能の修得状況に過度に重点を置いた選抜基準とせず」、しかし大学教育を受けるための基礎学力を把握するため、試験や資格、評定平均等を「出願要件」として「合否判定に使う。」ことを認めています。

総合選抜型はこのAO入試を踏襲とうしゅうしたものですが、ただ、これまで大学によって「自己推薦入試」や「公募型推薦入試」としていたものが、この総合型に分類されるケースが出てきました。総合型選抜であっても、出願書類として学校長の推薦状が必要か否か、しっかりと確認しておく必要があります。

対話型という選抜方法

合否の決定については、通常、一次が書類審査、二次が小論文試験や面接等を組み合わせ総合的に判断されます。対話型では複数回にわたって面談・面接を行い、受験生と対面して人物や目的観等を確認し合否判定をします。

大学や志望する学部との適性、学修への意欲がより一層重視された選抜方法です。

自己推薦

在籍する学校長の推薦を必要とせず、自らを推薦します。

AO入試の考えを受け継ぐ総合型選抜では、基本的に大学が求める人材像との適合性が重視されますが、自己推薦は受験生の経験や努力の結果に基づいた能力や実績、特技等に焦点が当てられます。総合型選抜の中でも、特別枠として募集するケースが多く見られます。もちろん適合性も含めて判断されます。

学校推薦型選抜

学校推薦型選抜は、大きく「指定校制(指定校推薦)」と「公募制(一般推薦)」に大別され、どちらも大学が求める出願条件を満たし、在籍する学校長の推薦を得ることが必要です。

また多くの大学では専願制をとっており、合格した場合「必ず入学する者に限る」としています。

調査書の内容が重視されることから、成績や在学中の活動等で評価ポイントの高い生徒には、第一志望大学の受験において有利な入試方法といえます。

選抜の基準は、

  1. 学業成績や課外活動の実績など、調査書を踏まえた評価が行われます。
  2. 2021年度入試より学力を確認する評価方法が取り入れられています。(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、教科・科目に係るテスト、資格・認定試験の成績、大学入学共通テスト等)
  3. 学校長の推薦が必要です。
  4. 実施時期は11月~12月頃に集中しています。出願から合格発表まで比較的短期間で結果が出ます。

指定校推薦

指定校制では大学が指定した高校の生徒だけに出願資格があり、私立大学が中心となっています。合格率が高いのが特徴です。

しかし、希望者が多い場合は高校内での選抜となります。校内選抜の基準は成績・課外活動・生活態度などで総合的に判断されます。

日頃の努力の積み重ねがモノをいう入試であり、学業や活動において平均以上の優れた実績が求められます。

公募制(一般推薦)

公募制は大学が求める出願条件を満たし、高校の学校長の推薦を受けることができれば誰でも受験できます。国公立大学でも実施されていますが、指定校推薦と違って合格の確立は低くなります。

しかし、一般選抜よりも倍率が低い傾向にあることから、条件を満たせるのであれば挑戦の価値はあります。

(※公募制については総合型選抜に組み入れている大学もありますが、内容的に差異はありません)

<対 策>

指定校推薦を使って入試をするのであれば、まず定期テストでしっかりと評定を確保することです。活動面や生活態度も評価の対象になるため、課外活動などにも積極的に取り組んでいくべきでしょう。

また、高校内での選抜において「志望理由」を書くケースが多々見られます。その場合、内容的には総合型選抜と大差はありません。

特に将来の目的や進学後の学修に対する意気込みは明確にすることです。学校長の責任で推薦をするのですから、将来に対して意欲的な志をもち、人物的にも信頼に値する生徒であることが重要です。

公募制の場合は、全国の高校生が出願可能なわけですから倍率も高くなります。学校推薦型の入試であっても気を抜けません。

出願書類の作成は総合型選抜と同様です。「志望理由書」は曖昧あいまいな目的観では通用しません。自分自身の内面的な掘り下げは無論、職業・資格・学び・大学情報等々、必要なデータを収集し具体的に書き上げなくてはなりません。

また近年は出願条件として英語力に注目をする大学が増えています。英検やTOEFL等、早めにスコアを獲得しておくことです。

必ず学校長の推薦を受けなければならないため、出願には時間のゆとりをもち、高校の先生と相談し準備をしていく必要があります。

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学校推薦型選抜のメリット&デメリット

〈メリット〉
  • 指定校推薦の場合は合格率が高く、受験の負担が軽減されます。
  • 推薦入試を受けることで受験のチャンスを増やすことができます。万一、不合格となっても、一般選抜で同じ大学を受験できます。
  • 二次試験が単科であったり、小論文テストや面接に絞られる傾向があるため、対策が立てやすくなります。
〈デメリット
  • 一般選抜に比べると判定の基準がつかみづらいといえます。
  • 専願制の場合は1大学のみの出願となってしまい、併願ができません。
  • 出願にあたって評定平均等の条件が定められていることが多く、一般選抜のような自由度はありません。

一芸入試

自己推薦と類似していますが、学校長の推薦が必要となる「公募制特別推薦選抜」は学校推薦型に組み込まれます。文化・芸術活動やスポーツ等で優れた実績のある生徒を対象としています。

また、これまでは一つの特技のみで出願でき成績を重視しない入試でしたが、近年は学業面での問題が指摘され一定以上の評定が条件となる傾向になっています。スポーツ推薦、一芸一能入試など、大学によって表現が異なります。

医学部にもある学校推薦型選抜

難関医学部の受験でも学校推薦型選抜が実施されています。国公立大学の医学部では地元出身者や卒業後の勤務地等に制限を設ける「地域枠」が、これに相当します。

他の大学同様、大学が求める出願条件を満たし高等学校長の推薦があれば出願できます。既卒生の出願を認めている大学もあります。

帰国生徒選抜

「帰国生入試」として、近年、富に需要が増えた入試です。

試験は日本と異なる外国での教育事情を考慮し、学力試験が免除されるなど受験生の負担軽減が図られるようになっています。ただし、学力を度外視しているのではなく、別な方法で審査が行われます。

❶留学先での成績を重視するタイプ

これは実際に暮らしていた滞在国での学業成果を重視する選抜法です。

「国家統一試験」が活用されることが多く、環境が異なる場にあって、意欲的に勉学に励んだ結果を評価するものです。

保護者の海外赴任などによって日本の教育を受けられなかった生徒(帰国子女)を対象に、一般生とは別枠で実施されます。国際化が進む中で、帰国子女にとっては不可欠の入試ともいえます。

➋大学ごとに試験が課せられるタイプ

海外の教育制度や教育水準が様々であることから、日本の大学に進学するにあたり一定水準の学力を審査します。

大学ごとに試験が行われ、国公立や難関大学に多く見られます。

この場合でも、国家統一試験やTOEFL等の成績の提出が求められることがあるため、日本の大学への進学を臨む場合は早めに資格を取得しておくことです。

➌書類審査+試験タイプ

国際統一試験等をもとに書類選考したのち、さらに大学独自の試験を課す方法です。

近年では英語力を判断する材料としてTOEFLやIELTS等の成績結果の提出を求める大学が増えています。

<対 策>

「国家統一試験」は、アメリカ系以外のカリキュラムでは一度しか受験できません。ゆえに計画的な勉学によって試験に臨めるよう、しっかりと準備をすることです。

アメリカの場合はTOEFLやSATの複数受験が可能ですが、SATでは過去のスコアが記録として残ることを心しておくべきでしょう。

いずれにせよ海外では、日本の暦とは異なったサイクルで動いています。日本の大学への進学を目指すのであれば、地道な勉学の継続で国家統一試験にチャレンジしていくことです。

また、書類の準備については、証明書や照会状等の発行など現地の対応も視野に入れ、提出期限に間に合うよう早めの対応が望まれます。

特に注意すべきことは、国際統一試験の時期や結果は地域によって異なるため、日本の大学への出願に間に合わないケースも見受けられます。救済措置を取っている大学もありますが、できる限り提出書類は出願に間に合うよう準備をすることです。

最後に、海外経験の長い受験生によく見られるのが、自身の英語力を過信して受験対策を怠るケースです。TOEFLなどのスコアが良いからといって、日本の大学独自の入試問題に通用するとは限りません。

さらに帰国生選抜では、ほぼ面接があります。大学によっては英語面接を実施するところもあります。日本の慣習を踏まえ、面接に通用する受け答えの練習も必要です。

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国家統一試験

世界的に通用する大学進学のための資格試験で、国によって名称は異なります。

ドイツやフィンランドで実施されている「アビトゥア」は、試験にパスをすると、国内のみならずヨーロッパの大学へ進学する資格を得られます。ドイツに限っていえば、医学部など一部の大学を除いて、国内のどの大学にも入学できます。

フランスの「バカロレア」もよく似た制度で、中等教育(日本の高校程度)を修了したことの証明となる国家資格です。1800年代にナポレオン・ボナパルトによって導入されもので、フランス全土の大学へ進むことができます。

アメリカの教育制度ではTOEFLやSATが基準となり、イギリスではGCE、GCSEの一定科目数以上の合格を義務づけています。

それぞれの国で大学進学に必要となる資格であるため、帰国生入試において学力の判定基準として重視されます。

同じバカロレアでも、スイスのジュネーブに本部がある「国際バカロレア」(IB:International Baccalaureate)は、世界共通の大学入学資格として開発されました。もちろん、このIBも国際的資格として帰国生選抜では重要視されます。

また、以上のような国家統一試験は、日本から海外の大学に留学するうえでも重要な資格となります。文部科学省でも、日本の留学生対策として積極的に取り組んでいます。

社会人選抜

一般的には「社会人入試」と呼ばれ、その名称の通り社会人に限定された試験です。出願条件として年齢の下限や社会経験などが定められているケースが多いことも、現役生や浪人生の受験と異なる点です。

入試そのものは、小論文と面接だけであったり、受験科目数が少なかったりと、社会人が挑戦しやすい形が整えられています。現在、国公立大学を含め、日本の7割以上の大学が社会人選抜を実施しています。

しかし、実際に大学で学び直している社会人は決して多くはありません。その要因として職場の理解が得られないこと、就学の時間の確保の難しさや、ニーズに合ったカリキュラムの少なさ、また授業料の負担など、志があっても一歩踏み出せない現状があります。

明確な目的意識と卒業までの計画的な学修等、覚悟が求められる入試ともいえます。

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編入学試験

4年制大学の2年次、3年次に入学することを目的とした試験です。既に学士号を取得している人は、「学士入学(編入)」とも言います。高等専門学校(高専)や短期大学等の卒業見込み者にも受験資格があります。

大学編入制度は欠員募集という形で始まったものですが、現在は編入定員を定めて毎年募集をする大学もあり、高等専門学校や短期大学卒業後の受け入れ窓口ともなっています。この場合は10月〜12月頃に試験が行われます。

2月〜3月頃の行われる編入試験の場合は、従来通り学生の補充という位置づけといえるでしょう。欠員募集の場合、試験の実施は学部・学科単位で決めることが多く募集は若干名です。試験は英語や専門教科、小論文、面接等に絞り込まれるために対策も立てやすいといえます。ただし、年度によって募集学部・学科や人数が変わるため、大学入試以上に情報収集をこまめに行う必要があります。

この制度を利用し、不合格だった一次志望の大学に再挑戦するという学生も見られますが、安易な取り組みでは通用しません。

また編入学の場合、入学前に他校で修得した単位の一部が認定されるため、それまでに修得した単位を無駄にすることがありません。

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小論文テスト

一般選抜では教科試験が中心となりますが、総合型選抜や学校推薦型選抜では、二次試験の段階で小論文試験が実施されるパターンが多く見られます。

しかし小論文は論理性が重視され、なおかつ主張の裏付けとなる根拠が必要となります。これまで書いてきた作文のように、主観的な感想だけを書き連ね、指定文字数をクリアしても通用しません。ゆえに手強い試験といえます。

出題パターンは大きく分けて「課題文型」「データ分析型」「テーマ型」の3つです。

出題の多くは課題文タイプの問題ですが、3パターンともに着眼点が重要であり、考察力・論述力といった考える力が求められます。特に小論文の核となる根拠については、知識のみならず社会的情報に対する分析力などが求められます。

また「課題文型」は課題文の‟読解”、「データ分析型」はグラフやデータを分析したうえでの‟問題発見”、「テーマ型」はさらにどこに焦点を当てるかといった‟発想”が、解答の内容を左右するカギとなります。

<対 策>

小論文テストに対応できる力をつけるためには、演習問題で練習を重ねる以外に方法はありません。さらに本番に通用するためには、過去の入試問題を解いて小論文試験の傾向や解答のコツをつかんでおくことです。

課題文型・データ分析型・テーマ型のいずれにおいても、大学の出題の傾向をつかむことで対策が立てやすくなります。

しかし独学で、なおかつ最初から過去問オンリーで対策をするのは勧められません。なぜなら、指導も受けず基礎的な力もついていない状態では、非効率な試行錯誤を繰り返すだけで大きな進歩は望めないからです。

効果的な学習は、答案の添削を受け、解説講義を聞き、再執筆をして問題点を改善する、この反復練習が実力を養います。

小論文の上達に近道はありません。

大学では理論立てて物事を考える‟論理的思考”が求められることから、小論文試テスト対策で培った力が大いに役立ちます。文章力や論理力は一度身に付けると、一生モノの力となります。

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面接・二次試験

人物考査をするための二次試験には、面接・グループディスカッション・プレゼンテーション・オーディションと大学によって様々なスタイルがあります。

グループディスカッションでは、傾聴力・コミュニケーション力を問われますが、何より討論の流れを整理し、周囲の意見を踏まえて自身の主張を論理的に明快に伝える考察力や発表力も注視されます。

プレゼンテーションは大学側が提示するテーマに沿い、さらに焦点を絞り、論理的な構成を立てて提案や意見を述べていかなければなりません。

例えば環境問題がテーマならば、COの排出や海洋汚染の問題など、どこに焦点を当てるのか。さらに問題提起に対する自身の意見。それらを筋道立てて論理的に構成し発表します。プレゼン用の資料も必要となり、準備には時間がかかります。

二次試験の中でも最も多いのが、面接試験です。

総合型選抜や学校推薦型選抜の面接では、志望理由書の信憑性しんぴょうせいを問うように、口頭で将来の目的や志望理由を聞かれるケースが目立ちます。

ただし試験管は表面的な受け答えのみならず、受験生の内面的な資質や可能性を見抜くため様々な角度から質問をしてきます。このとき、付け焼刃の回答では簡単に見抜かれてしまいます。

<対 策>

面接でありがちなのが、想定問答で準備をし、まるで暗記したかのような返答に終始してしまうパターンです。

多くの受験生たちは「こう聞かれたら、こう答える」という練習を繰り返し、模範回答を考え覚えます。もちろん、この練習方法を否定はしません。緊張をほぐすためにも必要な練習です。

しかし、これでは受験生の本質的な人間性は見えません。面接は、試験官が生身の受験生を見て感じて評価をするものです。ゆえに試験管は志望理由を掘り下げたり、時事問題について質問をしたりと工夫をします。

このとき試験官の印象に残るのは、面接練習時の想定問答ではなく、それまでの努力の日常です。

将来の目標や仕事、また目的を達成するための学修計画、さらに志望する大学の情報等をしっかりとリサーチをしたうえで「志望理由書」を書き上げていれば、どんな質問がきても慌てずに答えることができます。

時事問題についても、日常的に社会に関心を持ちニュースをチェックしていれば問題ありません。総合型選抜や公募制で受験をするのであれば、このくらいの心構えは必要です。

試験官は相手が高校生であることを充分に理解したうえで質問をしているのですから、難しく考える必要はありません。受験に向けてやるべき課題を真面目にこなしていけば、答はその中にあります。

事前練習は、その答を明確な言葉に表すことです。

面接試験は人物を見極める試験です。努力からにじみ出た言葉は、模範回答以上に試験管の印象に残ります。

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MMI

Multiple(マルチプル) Mini(ミニ) Interview(インタビューの頭文字を取って「MMI」といわれる面接の方法です。多様な角度からの質問で受験生の資質や人間性を判断することを目的として、医学部の面接などで取り入れる大学が増えてきました。

「面接・二次試験」でも書いているように、面接では多くの受験生が答を用意し、正に暗唱するように回答します。これでは受験生の本質的な人間性は見えません。そこでMMIが注目されるようになりました。MMIでは受験生が練習を重ねた想定問答が通用しません。小論文試験同様に、どのような質問が用意されているのか予測がつかないからです。

MMIでは、あるシチュエーションが想定された文章を読み、回答を考えます。例えば、「カフェで客の注文通りにコーラーを運んだら、コーヒーを頼んだと言われた。あなたがカフェの店員ならば、どう対処するか?」といったような問題です。

通常の面接とは方向性も内容も大きく異なります。受験生は数分の間に対処法を考えて面接官に説明をしなくてはなりません。考察力、論理力、説明力、判断力、コミュニケーション能力等だけではなく、受験生の価値観や人間性が露わになる面接です。

<対 策>

MMIについても、小論文テスト同様に練習の方法があります。

この面接では受験生の人間力を判断するばかりでなく、論理的な思考についても評価されます。従って、回答の手順をつかんでおくことで、論理力や説明力をつける練習となります。また質問が想定できないとしても、回答の練習をすることで本番への対応力が養われます。

回答の手順としては、提示された課題文の状況を押さえ、メリット・デメリットの角度から考察するか、あるいは対処の仕方について二通りほど考え利益衡量(こうりょう)したうえで、結論を導き出すのです。

この一連の流れに沿い、順序だてて説明をすることで論理的な考察になります。主張の裏付けとして根拠を忘れずに考察する癖をつけることです。

そしてもう一つ、MMIは回答の時間が限られています。時計を前に、‟話しながら考える”ことに慣れておくこともMMI対策として必要です。

また医学部などでは、社会的な問題も多く出題されます。ニュースなど、社会問題についての情報収集も心がけておくべきでしょう。

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高校入試 中学3年生対象

【中学生】高校受験 作文・小論文・面接対策

いまや義務教育化している高等学校とはいえ、多くの中学3年生にとって、高校受験は人生初のチェレンジであり試練でもあります。なかでも高校によって求められる志望理由書や課題作文、小論文テスト等への対策は、生徒たちの不安を掻き立てる大きな要因の一つです。

受験における作文・小論文は、エッセイではなく‟解答”です。「思ったことを思った通りに」書く作文でありません。まずは基本的な捉え方や考察、構成力、文章表現など、受験に対応的できる実践力を身に付ける必要があります。

<対 策>

小学生から書き続けている作文ですが、書き方の具体的な手順を知る生徒はほとんどいません。多くは本や教科書を手本として見様見真似で、手探りの中から自己流の書き方のコツをつかんでいきます。

文章表現は‟ものまね”から入ることは間違ってはいません。成長や経験に応じて内容や表現はそれなりに変わっていくため、小学生時代に書き方を真似て学習することで基礎的な作文力を養うことができます。

しかし、多くの生徒はいきなり原稿用紙に書き始めてしまいます。そして途中途中で考え悩み、消してはまた書き、やがて行き詰まる。結局、自分の閃きも書きたいことも見失ってしまう。

その原因は、書き始める前の段階にあります。小論未来塾では「考察メモ」という表現をしていますが、与えられたテーマに対し、閃きも含め考えをメモることが、実は非常に重要です。

メモなき執筆は、料理に例えると下ごしらえをしていない手抜き料理と同じです。素材ごと鍋にぶち込んでもし出来上がりは正体不明、原稿ならば何を言いたいのか意味不明になってしまいます。

そしてもう一つ、文章はスポーツ同様、体で覚えます。ルールを覚えたところで、実際に書いてみなければコツはつかめませんし上達もしません。

受験作文も小論文も評価をするのは試験官ですから、自己満足も通用しません。

受験として対策をする場合は、やはり一度は専門的な指導を受けておくことをお勧めします。

個人で対策をする場合は、書いた原稿はできるだけ人の目を通してください。一般的なテキストを使い、書き方の手順を覚えるのも良いでしょう。模範解答は参考にする程度に。作文や小論文のテストの解答は一つではありませんから、自分の考えを明確にして書き上げることです。

そして試験本番では、周囲の空気にのまれないことです。皆同じように不安で、緊張しています。試験がスタートしたと同時に書き始める受験生もいます。そんなとき、焦って考察もせずに書き始めてしまうと、自分の書くべき方向性を見失ってしまいます。

落ち着いて、まずは考察メモから。もちろん試験は時間制限がありますから、準備段階で本番と同じ時間内で問題を解く練習を重ねてくださいね。

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就活応援・学校サポート

【就活生】エントリーシート・面接対策

採用試験における志望理由は、受験とは異なる視点が求められます。それは単なる将来の夢や曖昧な希望的観測ではなく、企業利益に直結した人材であることのアピールです。そのためには、企業分析や社会情勢を踏まえた視点、自身の実力と確かな可能性を、論理的かつ明確に示さなければなりません。

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【学校】作文・小論文指導/添削/面接対策/コーチング指導

‟覚える”から‟考える”入試にシフトしている近年の受験では、小論文の比重が大きく増しています。ことに大学受験では総合型・推薦型による進学者数が全体の半数以上を占めるようになり、「志望理由書」の作成や「小論文テスト」の対策が必要不可欠となっています。

しかし、多くの生徒たちは作文と言えば「起承転結」と教わり、基本的な書き方指導を受けていないのが現状です。結果的に作文に苦手意識を持ち、むろん作文と小論文の違いを理解するに至っていません。そこでいま切実に求められているのは、合格に手の届く確かな指導です。

大学受験では、にわか仕込みの小論文対策は通用しません。それゆえに、まずは土台となる小論文の‟基本”を押さえることがスタートライントなります。

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